「ザ・クロニクル 戦後日本の70年(1)1945-49 廃墟からの出発」共同通信社「戦後70年写真事業実行委員会」編

公開日: 更新日:

 戦争が終わっても国民の苦労は続く。追い打ちをかけるように45年は、冷夏と風水害が重なり大凶作に見舞われ、46年5月には皇居前広場に25万人が集まり深刻な食糧不足を訴える「飯米獲得人民大会」が催された。国会議事堂の前庭が芋畑に利用されている写真に、当時の人々の苦労がしのばれる。

 翌47年になると、ラジオ番組「街頭録音」の収録風景やミスコン、女子野球大会の様子など、落ち着きを取り戻しつつある人々の暮らしを伝える写真が増えてくる。

 その後、日本は奇跡とまでいわれる復興を果たす。その先人たちの築いた繁栄を謳歌しながら、どこに向かおうとしているのか定まらない現代人が立ち返るべき原点がここにある。

(共同通信社 2500円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  2. 2

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  3. 3

    渡辺謙63歳で「ケイダッシュ」退社→独り立ちの背景と21歳年下女性との再々婚

  4. 4

    参政党は言行一致の政党だった!「多夫多妻」の提唱通り、党内は不倫やら略奪婚が花盛り

  5. 5

    悠仁さま「友人とガスト」でリア充の一方…警備の心配とお妃候補との出会いへのプレッシャー

  1. 6

    伊東市長「続投表明」で大炎上!そして学歴詐称疑惑は「カイロ大卒」の小池都知事にも“飛び火”

  2. 7

    大阪万博は鉄道もバスも激混みでウンザリ…会場の夢洲から安治川口駅まで、8キロを歩いてみた

  3. 8

    早場米シーズン到来、例年にない高値…では今年のコメ相場はどうなる?

  4. 9

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  5. 10

    米価高騰「流通悪玉論」は真っ赤なウソだった! コメ不足を招いた農水省“見込み違い”の大罪