「相続破産」五十嵐明彦著

公開日: 更新日:

 改正された相続税では何と基礎控除が4割も減額になる。いままでは「5000万円+1000万円×法定相続人の数」が基礎控除額。しかし新制度では「3000万円+600万円×法定相続人の数」になる。たとえば亡夫の財産を妻と2人の子で相続する場合、いままでなら8000万円まで相続税なしだったが、改正後は4800万円。なんと3200万円も基礎控除が減ってしまうのだ。ではどう対策すればいいのか。本書はさまざまな方法を教えてくれる。

 たとえば今注目の生前相続。こちらの基礎控除は年間110万円。しかも相続税の場合と違って、本人が生きている限り毎年使える。たとえば毎年110万円ずつ10年間の生前贈与を受ければ、1100万円まで相続税の心配なしに財産を継承できる。しかも相手を選ばないから、自分の妻や子どもたちにも贈与してもらい、家族ぐるみで生前贈与を受けるなどという手段も可能なのだ。知っているようで何も知らない相続の仕組みを、今さら周囲には聞きにくい初歩的なことから教えてくれる。

(朝日新聞出版 720円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理