【年末に読みたい珠玉の時代・歴史小説】「鬼はもとより」青山文平著

公開日: 更新日:

 宝暦8(1758)年秋、浅草山川町の裏店で万年青を商う奥脇抄一郎に、旗本の深井藤兵衛を通じて、ある依頼が舞い込んでくる。抄一郎は、万年青稼業を隠れみのに、裏で諸藩の御用人らに藩札版行の指南役を務めていた。

 8年前、ある小藩の武家だった抄一郎は女遊びが災いして御馬廻りから藩札掛に回され、藩札頭の佐島から徹底的にその仕組みを仕込まれた。佐島亡き後、藩札頭に就いた抄一郎は、筆頭家老から命じられた藩札の10割の刷り増しを拒み、版木を持ち出し脱藩。数カ月後に、別の藩札を発行した藩は混乱に陥り、改易されてしまった。以来、国を大本から立て直す仕法を思案し続けてきた抄一郎に、その成果を試す絶好の機会が到来する。

 今年一番の収穫との呼び声も高い異色経済時代小説。

(徳間書店 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    北島三郎(3)「北島ファミリー」の長女・原田悠里が語る御大

  2. 2

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 3

    「マクドは健康保険と年金に加入できてよかった」 シニアが働き続けるために必要なこととは?

  4. 4

    東京・蒲田の2駅結ぶ蒲蒲線、大田区と地元を取材して分かった実現のハードルと地元の思い

  5. 5

    NHK夏の音楽特番「うたであえたら」は北川景子のMCが見事 カオスと化した近年の紅白はお手本に

  1. 6

    菊池風磨はジャニー喜多川氏の“推薦”もあって慶大総合政策学部に進学 仕事の合間に1日10時間の猛勉強

  2. 7

    KDDIが楽天モバイルへの「ローミング」終了でライバルの“品質低下”を狙い撃つ

  3. 8

    豊昇龍が長期離脱で大の里までピンチ! “ひとり横綱”の重圧で「共倒れ」にならないか

  4. 9

    徳川光圀(1)水戸黄門は全国漫遊などしていない 主に出かけたのは江戸と領地の往復

  5. 10

    永野芽郁がキャバ嬢で「復帰」もM!LKファンやきもき…共演するかもしれない佐野勇斗への“キラー”ぶり警戒