公開日: 更新日:

 食に関する情報は、多くの人にとって大きな関心事だが、昨今、食の安全に関するニュースが後を絶たず、不安は募るばかりだ。そこで健康のために、現代人は何を食べるべきなのかを改めて教えてくれる本を紹介する。驚くべき知見が満載で、常識が覆される。

■「オーガニックラベルの裏側」クレメンス・G・アルヴァイ著、長谷川圭訳

 ヨーロッパ各地の生産現場を取材し、有機食品の舞台裏に迫り、人々の抱くイメージとは異なるその実態を伝えたリポート。

 ドイツ国内の有機養鶏場では、採算性を求めるあまり、有機とは本来無縁であるはずの遺伝子を組み換えたハイブリッド種の鶏を飼育。従来型の非有機飼料に合わせてデザインされたハイブリッド鶏は、有機飼料だけでは栄養が不足するために非有機飼料も与えられ、抵抗力が弱いために抗生物質も使用されているという。

 その他、殺菌剤や有機栽培用農薬がふんだんに使われ、食べると口の中がヒリヒリする有機栽培リンゴなど。有機畜産・有機農業の現実を告発。表示やうたい文句に惑わされずに「自分が食べる物は自分が決める」という基本の大切さを痛感させられる。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態