「薬で治るというウソ」名郷直樹著

公開日: 更新日:

 病気は薬で治すという“常識”に“待った”をかけたのは本紙で「医療数字のカラクリ」を連載中の著者。「根拠に基づく医療」を提唱、実践してきただけに、目からウロコの話が多い。

 例えば、中耳炎は、発症から3日間は抗生物質を飲んではいけないと説く。

 中耳炎の原因のほとんどが細菌であることを考えれば「抗生物質を飲むのは当然」に思えるが、大間違いだという。理由は中耳炎の7割は3日以内で治るため。実際、オランダのガイドラインでは抗生物質を飲ませるのは3日後からだそうだ。

 仮に抗生物質が必要な場合も、多くの医師が出したがる、高価で副作用の強い薬を警戒するよう説いている。過剰医療にならないためのエビデンスが本書にはある。

(ビジネス社 1300円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵・中井監督が語っていた「部員は全員家族」…今となっては“ブーメラン”な指導方針と哲学の数々

  2. 2

    11歳差、バイセクシュアルを公言…二階堂ふみがカズレーザーにベタ惚れした理由

  3. 3

    中居正広氏は法廷バトルか、泣き寝入りか…「どちらも地獄」の“袋小路生活”と今後

  4. 4

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  5. 5

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  1. 6

    開星(島根)野々村直通監督「グラウンドで倒れたら本望?そういうのはない。子供にも失礼ですから」

  2. 7

    最速158キロ健大高崎・石垣元気を独占直撃!「最も関心があるプロ球団はどこですか?」

  3. 8

    風間俊介の“きゅるるん瞳”、庄司浩平人気もうなぎ上り!《BL苦手》も虜にするテレ東深夜ドラマの“沼り力”

  4. 9

    前代未聞! 広陵途中辞退の根底に「甲子園至上主義」…それを助長するNHK、朝日、毎日の罪

  5. 10

    山下美夢有が「素人ゴルファー」の父親の教えでメジャータイトルを取れたワケ