「時代劇は死なず!」春日太一著

公開日: 更新日:

 東映京都撮影所がある太秦には、他にも松竹、二十数年前までは大映の撮影所もあった。この3撮影所で撮影された時代劇映画は1950年代に黄金期を迎えるが、60年代に入ると急速に不振に陥った。本書は、危機的状況を乗り越え、時代劇を作り続けた各撮影所のスタッフたちの奮闘を追ったドキュメンタリー

 かつて全邦画興行収入の3割以上を稼ぎ出していた東映時代劇だが、黒沢明監督「用心棒」などの登場で色あせ、東映は任侠映画へと路線を変更。時代劇を支えたスタッフは、テレビの時代劇ドラマの制作へとシフトしていく。「新選組血風録」など往年の傑作時代劇ドラマの誕生の舞台裏も描いたファン必読の書。(河出書房新社 740円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波