「中間層消滅」駒村康平氏

公開日: 更新日:

「二極化すれば、社会の流動性がなくなります。たとえば、小中学校から受験でセレクションが行われ、似通った成育環境にある高所得者層の子どもが集まってくるために、エリート層になる彼らは生活に困っている人を自分の目で見たことがなく、相手の立場を思いやることができなくなる心配があるんですね。だから経済さえ成長すれば、あとは自助努力で、などと平気で言えてしまうんですよ。どんな家に生まれてくるかは運で、スタートラインで差がつくと自助努力では格差を逆転させることはできなくなることを、中間層より上の人々には知っておいてほしい」

 中間層というのは幅広い視野で社会を見渡せるバランスのいい層であり、それを強みに変えて、社会を動かしていくことも可能だという。

「ぜひ、賢い消費者として行動していただきたい。ヨーロッパではすでにESG(ecology/social/governance)投資が当たり前ですし、製品は安いがブラック企業であるとか、コスト削減のために環境破壊をいとわない企業の製品を買わない、という消費者の行動が広がってきています。兵糧攻めで企業の行動を変えていくことは、資本主義経済を続けながら持続可能な社会を作っていく、確実なひとつの方法ではないでしょうか」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  2. 2

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  3. 3

    ヤクルト青木“GM”が主導したバランスドラフトの成否…今後はチーム編成を完全掌握へ

  4. 4

    森下千里氏が「環境大臣政務官」に“スピード出世”! 今井絵理子氏、生稲晃子氏ら先輩タレント議員を脅かす議員内序列と評判

  5. 5

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  1. 6

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  2. 7

    高市首相が狙う悪夢の“強権官邸”復活…安倍時代の再来へ「経産-警察ライン」で恐怖政治

  3. 8

    最終盤の宮城県知事選は仰天の展開! 高市首相応援の現職vs昭恵さん&参政党支援の元自民議員でデッドヒート

  4. 9

    小川晶市長「ラブホ密会」の震源地…群馬・前橋市のナイトスポットで“まさかの声”続出

  5. 10

    タレント出身議員の“出世頭” 三原じゅん子氏の暴力団交遊疑惑と絶えない金銭トラブル