「バレンタインデーの秘密」浜本隆志著

公開日: 更新日:

 世界的なイベントに成長したバレンタインデーの歴史をたどる研究書。

 そのルーツをさかのぼると、死から生への再生を願う古代ローマ時代の冬至祭の行事のひとつ、ルペルカリア祭に行き着く。その後、キリスト教化とともに、聖バレンタインの殉教伝説から「愛の守護聖人の日」となったが、ローマ・カトリックは、聖バレンタインの信憑性に疑念が残ると、1969年に教会行事から排除。近代以降、脱キリスト教化を図りながら、現代では商業資本の巨大なマーケットに組み込まれ、「恋愛資本主義」によるグローバル化と大衆化が促進する。そんな「愛の日」の変貌を宗教史的・文化史的視点から概観。(平凡社 840円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  3. 3

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    初の黒人力士だった戦闘竜さんは難病で入院中…「治療で毎月30万円。助けてください」

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希もようやく危機感…ロッテ時代の逃げ癖、図々しさは通用しないと身に染みた?

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が“本塁打王を捨てた”本当の理由...トップに2本差でも欠場のまさか

  4. 9

    “条件”以上にFA選手の心を動かす日本ハムの「圧倒的プレゼン力」 福谷浩司を獲得で3年連続FA補強成功

  5. 10

    吉沢亮は業界人の評判はいいが…足りないものは何か?