「永遠の夏 戦争小説集」 五木寛之・城山三郎ほか著 末國善己編

公開日: 更新日:

 戦争をテーマにした名作を編んだアンソロジー。

 ジャーナリストの「私」の祖父が81歳で死去。生前、私物はすべて処分されていたが、一通の手紙が残っていた。差出人の八雲は、戦時中にハルビン特務機関の情報将校を務め、戦後は財界の黒幕として暗躍した男だった。敬愛する祖父の人生の空白を埋めようと私は八雲に会いに行く。

 しかし、手紙の存在を知った八雲は態度が急変、会見は打ち切られる。15年後、八雲から呼び出され、再び私は彼に会いに行く。彼の口から語られたのは、昭和14年のノモンハン事件の2カ月前に起きた出来事だった。(柴田哲孝著「草原に咲く一輪の花」)

 ほか、真珠湾攻撃や広島原爆などを描いた14作を収録。(実業之日本社 880円+税)


【連載】文庫ワールド

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態