「死を受けとめる練習」鎌田實著

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 必要以上に怖がったり、避けたり、逃げたりすればするほど、死はつらく、苦しく、悲しいものになるという。医師として、多くの患者の最期を見届けてきた著者が、老いや死をどう迎えればよいのかをつづったエッセー。

 乳がんが転移して緩和ケア病棟に入院した90歳のハルさんは、毎年恒例の瓜漬けを家族に食べさせたいとリハビリに励み、ある日、満を持して帰宅。嫁に漬け方を教え、私物の整理の指示をして、5日後に亡くなった。その他、不幸な少年時代を過ごしたが一代で美容院チェーンを築き悪性リンパ腫で亡くなった男性など。さまざまな人々の生と死を紹介しながら、自分らしく死ぬための準備や、死の恐怖との向き合い方などを語る。(小学館 600円+税)


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