「空海と密教」ひろさちや著

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 空海の説いた密教の教えに学ぶ生き方指南書。

 釈迦は欲望があるから人間は苦しみ悩むと説いた。ゆえに初期の弟子たちは禁欲主義こそ仏教の本質だと考えたが、空海は仏教の本質は「大欲」だと主張。

 大欲とは大きな欲望ではなく、「真実の人間らしく生きたい」という欲望だという。現代人が未来への不安に悩むのもその根底に小さな欲望があるから。ふたつの干し草の山を見つけた驢馬が、どちらを食べようか迷っているうちに餓死してしまう「ビュリダンの驢馬」の逸話とともに、大学を途中でやめた空海の若き日を紹介しながら悩みの本質を語るなど、その生涯をたどり、「真実の人間らしく生きる」とはどういうことかを解説する。(祥伝社 580円+税)


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