「『米中同盟』時代と日本の国家戦略」杉山徹宗著
米国と中国という2つの大国に挟まれた日本の国家戦略はいかにあるべきかを論じた国際関係テキスト。
多くの矛盾と問題を抱えながらも経済発展を続ける中国は、5年後にはGDPで米国を抜き、軍事力も現在の5~6倍に達すると予測されている。その狙いは、戦わずして世界覇権を得るためで、その思惑通りに世界情勢が推移しつつある。
一方で、世界の警察官の役割を降りようとしている米国に、核兵器や軍事力を駆使してまで日本を防衛する意思はないと指摘。軍事衝突の可能性すら報じられる米中関係が、実は「机の下では手を結んでいる」とも。両国が同盟関係に入る流れを阻止するために日本のとるべき道を提示する。
(祥伝社 1600円+税)