「日本に巣喰う4つの“怪物”」カレル・ヴァン・ウォルフレン著、井上実訳

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 重要な政治問題を効果的に語り合う方法を失っている結果、日本の未来は閉ざされ民主主義は破壊されると危惧する知日派ジャーナリストによる警告の書。世界情勢が劇的な変化を見せている今、日本が直面している大きな危険に立ち向かうためには、日本の本当の敵である「怪物」を見極めなければならないと指摘する。

 怪物として挙げられているのは、「だれが見ても明確な悪意を持った怪物」「一部の人にしか見分けられない怪物」「現実には存在しない怪物」「大多数の人には見えない隠れた怪物」の4つ。それぞれの事例として順に、原子力発電所、機密漏洩を禁じる法律、マスコミを使った北朝鮮や中国などによる日本攻撃論、TPPを解説している。さらに安倍首相による憲法解釈変更やウクライナ情勢にも言及。無関心や被害者意識に逃げ込むのではなく、今こそ独立した主権国家として存在してこなかった戦後日本の現実と向き合ってほしいと訴えている。

(KADOKAWA 1700円)

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