「日本に巣喰う4つの“怪物”」カレル・ヴァン・ウォルフレン著、井上実訳

公開日: 更新日:

 重要な政治問題を効果的に語り合う方法を失っている結果、日本の未来は閉ざされ民主主義は破壊されると危惧する知日派ジャーナリストによる警告の書。世界情勢が劇的な変化を見せている今、日本が直面している大きな危険に立ち向かうためには、日本の本当の敵である「怪物」を見極めなければならないと指摘する。

 怪物として挙げられているのは、「だれが見ても明確な悪意を持った怪物」「一部の人にしか見分けられない怪物」「現実には存在しない怪物」「大多数の人には見えない隠れた怪物」の4つ。それぞれの事例として順に、原子力発電所、機密漏洩を禁じる法律、マスコミを使った北朝鮮や中国などによる日本攻撃論、TPPを解説している。さらに安倍首相による憲法解釈変更やウクライナ情勢にも言及。無関心や被害者意識に逃げ込むのではなく、今こそ独立した主権国家として存在してこなかった戦後日本の現実と向き合ってほしいと訴えている。

(KADOKAWA 1700円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る