「宇沢弘文のメッセージ」大塚信一著

公開日: 更新日:

 著者は、ノーベル経済学賞に最も近いといわれた数理経済学者・宇沢弘文(1928~2014年)に伴走してきた編集者。20世紀後半、宇沢は経済学者としての輝かしい評価を自ら否定する形で、日本社会が直面している課題についてたった一人で立ち向かっていった。そんな宇沢の著書や身近で聞いた言葉を読み解くテキスト。

 アメリカで実績を残して帰国した宇沢が、自動車の是非について問題提起した名著「自動車の社会的費用」をはじめ、公害・環境問題に取り組む中で感じた近代経済学・新古典派理論の制約と限界に対する格闘の軌跡をつづった「近代経済学の再検討」など、その背景や骨子を紹介しながら深き思想の核心に迫る。(集英社 740円+税)

【連載】新書あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?