「このミス」大賞の一色さゆりさんは小学生で春画描いた

公開日: 更新日:

 そんな彼女は、芸大卒という変わり種である。育った環境はさらに興味深い。

「実家は、京都市左京区で数珠の卸問屋を営んでいます。兄が2人いて、私は末っ子。小学生の頃は、少女漫画や赤川次郎さんの本を読む、ごく普通の少女でした。ただし、“春画”を女の友達と交換ノートでやりとりする、ませた一面もありました。でも、特に変わっている子だとは思っていませんでしたね」

 夫は、芸大の先輩で彫刻家。2人で美術について語ったり、お互いの作品に意見したりと、刺激し合う関係。

「私自身がモノ書きとして収入を得られるように頑張りたいです。賞金の600万円は、留学費用の補填で消えてしまいそうです。なにしろ、香港の家賃はべらぼうに高く、日本では信じられないくらいの費用がかかりますので」

 2016年最も期待される新人作家だ。

▽いっしき・さゆり 1988年10月15日、京都市生まれ。12年東京芸術大学美術学部芸術学科卒。ギャラリー勤務を経て、現在は香港中文大学大学院美術学部在籍。既婚。「第14回 このミステリーがすごい!」大賞受賞。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です