「山人たちの賦」甲斐崎圭著

公開日: 更新日:

 北海道の日高山脈のふもとに住む行方さんは、30年以上の経験を持つ熊撃ち。その昔、カモ猟中に熊に遭遇した体験から、独学で熊撃ちを始め、これまでに人間のテリトリーを侵した100頭以上をとったという。

 わずか7、8メートルの至近距離まで間を詰めて一発で仕留める行方さんだが、何よりも大切なのは銃の技術よりも猟師の手・足・七感となる犬だという。

 本書は、ロープ1本で断崖絶壁に生える岩茸を採る群馬の松本さんや、秋田のマタギ・松橋さん、100キロ以上の荷物を担ぎ山小屋に運ぶ白馬岳のボッカ・太田さんなど、13人の日常に密着し、山で生きる人たちの暮らしと人生を追ったルポルタージュ。
(山と溪谷社 880円+税)


【連載】文庫あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」