「名著の読書術」樋口裕一氏

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 予習でストーリーがわかってから読んでも、名著の醍醐味はいっぱいあるのだ。

 たとえば伏線をさがす、脇役や敵役に注目する、自分と比較して読む。従来のジャンル分けと違う視点で読む方法だ。

「飛ばし読みだっていいじゃないですか。さらにもう一度読むと、いろんなことに気づきます。名著は2度目からが面白いんです。10回繰り返して読んだら、評論家も気づいてないことが発見できるかもしれません。それを人に話したり、ブログで発信したりする。これが復習になります。予習・復習というと学校みたいですが、文学に正しい読み方なんてありません。自由に読めばいいんです」

 朝、目覚めたら虫になっていたというフランツ・カフカの「変身」は、「不条理小説」というレッテルが有名だ。しかし、今の時代に重ねて「引きこもり小説」として読むことだって可能だ。

 クラシック好きでも知られる著者だが、どんな読書体験をしてきたのだろうか。

「授業をさぼって、教室の向かい側にある図書室で本を読んでました。教師からも見えるんですが、『あいつはもうしょうがない』と黙認されてましたね(笑い)。難しい哲学書もエロ雑誌も、片っ端から読みました。現在の若者と接したおかげで、みんなが本好きとは限らないとわかりました。でも、理系の人も、ビジネスパーソンも、人間や社会について考えを巡らすためには、やっぱり文学の名著を読んでほしいですね」(KADOKAWA 1400円+税)

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