「原節子の真実」石井妙子氏

公開日: 更新日:

 撮影所では本ばかり読み周囲と打ち解けなかったことで、“取り澄ましている”“生意気な大根女優”などと批判の的にされたこともあった。しかし彼女は、こと演技に対しては驚くほど率直に意見を述べ、自分の姿勢を決して崩さなかった。

「やがて、名だたる監督たちが原節子で映画を撮りたいと願うようになります。彼女を生かせるのは自分しかいないと、対抗意識をむき出しにした男たちの争いも始まるほどでした。原節子という女優はただ絶世の美女だったというだけではなく、作り手の意欲をかき立てる魅力も秘めていたのでしょう」

 原節子が伝説たる大きな要素が、生涯独身を貫いたことだ。小津安二郎との純愛説や、義理の兄とのただならぬ仲など、彼女の周囲には常に“原節子の男は誰だ”という下世話な視線が付きまとった。

「“あれほどの美女に男がいないわけがない”というのが、世の男性たちの思いなのかもしれません(笑い)。しかし、彼女はもっと別の次元にいて、男性がいなければ幸せになれない女性ではなかった。小津安二郎に関しても出演作すら批判するなど、決して恋仲などではなかったようです」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八王子実践・河本ロバート監督「ライブや家族旅行も、事前に相談があれば休ませます」

  2. 2

    萩本欽一〈34〉私の“運”論 大谷翔平のカネを使い込んだ通訳に「小さな声で『ありがとう』」

  3. 3

    中居正広氏が熊本地震被災地を支援と報道 引退後も変わらないチャリティー精神と芸能界復帰の可能性

  4. 4

    高橋成美「渋幕→慶応」だけでは読み解けないズバ抜けた回転の速さ 世界選手権ペアで日本人初の銅メダル

  5. 5

    東京・赤羽、先行する第1地区に110メートル級、せんべろの1番街が丸ごと潰される危機

  1. 6

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  2. 7

    国害SNSを告発 森山裕・自民党前幹事長「高市おろし」キーマンに急浮上の裏…不快感に国境なし

  3. 8

    年金生活者を悩ませる墓問題 維持費も「墓じまい」の費用も払えない人はどうすればいいのか?

  4. 9

    「墓じまい」に悩むシニア 費用や遺骨の始末より問題になる「家族の愛憎問題」

  5. 10

    松本若菜「ジュラシック・ワールド」吹き替え《棒読み》論争再燃…暗雲漂う主演ドラマに新たな逆風