在宅にせよ病棟にせよ 今や老後は「牢獄」だ

公開日: 更新日:

「老人病棟」船瀬俊介著

 現代の老人病棟は「薬殺病棟」だ、と環境・医療問題専門のジャーナリストである著者はいう。特養老人ホームの中には入居者の通帳や印鑑を取り上げ、認知症に仕立て上げた揚げ句、薬漬けにし、具合を悪くすると提携先の病院に送り込んでしまうところもある。延命治療といいながら助かる見込みが少ないと見極めると、いきなり大量の薬剤を投与して「最後の荒稼ぎ」に走る病院の姿。長女を医療ミスで失った経験を持つ著者の怒りの筆先は、容赦なく「香典医療」の実態を暴いてゆく。

 しばしば処方される降圧剤も実は薬漬けの第一歩。親切づらした医者には要注意だ。(興陽館 1400円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?