“愚衆民主主義”とまで揶揄されるデモクラシーの未来とは

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「デマとデモクラシー」辻元清美著

 左派きっての論客と恐れられた著者は怪文書やデマにも悩まされてきた。たとえば92年、著者がカンボジアPKOの自衛隊員に「あんた、そこ(胸ポケット)にコンドーム持ってるでしょう」と暴言を吐いたというネトウヨサイトのデマを、何と産経新聞の記者が真に受けてコラムに引用している。このときは名誉毀損の裁判で当の自衛官が明確にデマを否定し、著者は勝訴したが、それでもネットではまだ流布しているのだ。

 本文の多くはネット時代のデマの脅威に割かれているが、巻末対談では内田樹のほか、何とゴーマニストの小林よしのりと対談。立憲主義、反原発女性天皇、夫婦別姓など多くの点で両者の意見が一致するという驚きの内容だ。(イースト・プレス 907円+税)


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