「非常時のことば」高橋源一郎著

公開日: 更新日:

 人気作家が「ことば」について考えたエッセー。

 東日本大震災と原発事故は、戦争以来の災害だった。震災直後、その66年の間で、同じテーマについてもっともたくさんのことばが生み出されたが、それでも多くの人は「ことばを失った」と感じていた。実は「すぐにことばが出る」というのは異様な状態ではないのだろうかと指摘。あの日から特別な時間の中にいると感じているのに、なにがどのように変わったのか、それが分からない。そんな分からないことを目にしたときは、すぐに答えを出そうとせずに「わからない」と言って、ゆっくり考えればいいと説く。

 文学や政治家の演説などを取り上げ、震災後にことばがどのように変わったのか考える。(朝日新聞出版 620円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  3. 3

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  4. 4

    浜田省吾の父親が「生き地獄」の広島に向ったA.A.B.から80年

  5. 5

    山尾志桜里氏は出馬会見翌日に公認取り消し…今井絵理子、生稲晃子…“芸能界出身”女性政治家の醜聞と凄まじい嫌われぶり

  1. 6

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  2. 7

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  4. 9

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 10

    フジ親会社・金光修前社長の呆れた二枚舌…会長職辞退も「有酬アドバイザー」就任の不可解