テレビとジャーナリズム ますます露骨化する報道への圧力

公開日: 更新日:

「デジタル・ジャーナリズムは稼げるか」ジェフ・ジャービス著 夏目大訳

 ニューヨークの大学で「起業ジャーナリズム」を教える著者。デジタル時代に存続可能な報道とは何かを「エコシステム」の観点で論じた。テレビジャーナリズムにも1章を割いて言及。

 著者によれば「テレビニュース、特にローカルのテレビニュースは最悪」。繰り返しが多く、針小棒大で天気予報に必要以上の時間と手間をかける。ニュースのコメントでは聞く方も聞かれる方も深刻そうにうなずいているだけで、背後の映像も無意味なものが大半。著者は誰もがスマホやデジカメを持ち歩いている現代では「ニュース現場の近くにいる誰でも」が報道に参加するのがメディアの未来だという。

 現に「ウォール街占拠デモ」ではデモに参加した人物が20時間以上の生中継をウェブで行って話題になった。警察の暴力防止効果もありそうで、意外に現実味にも富んだアイデアか。(東洋経済新報社 2200円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元小結・臥牙丸さんは5年前に引退しすっかりスリムに…故国ジョージアにタイヤを輸出する事業を始めていた

  2. 2

    ドジャース大谷翔平に「不正賭博騒動」飛び火の懸念…イッペイ事件から1年、米球界に再び衝撃走る

  3. 3

    遠野なぎこさんは広末涼子より“取り扱い注意”な女優だった…事務所もお手上げだった

  4. 4

    ヘイトスピーチの見本市と化した参院選の異様…横行する排外主義にアムネスティが警鐘

  5. 5

    ASKAや高樹沙耶が参政党を大絶賛の一方で、坂本美雨やコムアイは懸念表明…ネットは大論争に

  1. 6

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  2. 7

    世良公則、ラサール石井…知名度だけでは難しいタレント候補の現実

  3. 8

    自民旧安倍派「歩くヘイト」杉田水脈氏は参院選落選危機…なりふり構わぬ超ドブ板選挙を展開中

  4. 9

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 10

    フジの「ドン」日枝久氏が復権へ着々の仰天情報! お台場に今も部屋を持ち、車も秘書もいて…