「古来種野菜を食べてください。」高橋一也氏

公開日: 更新日:

 古来種野菜は確認できるだけでも、1200種類ほどあるという。文久3年の記録に残る毛馬きゅうり、葉にギザギザの切れ込みがある山形ほうれん草、鹿児島のかわひこ、米沢市小野川のみで生産されている小野川もやし……。そのうち著者が扱っているのは77農家、400種類だ。

 味はどうなのか。

「では、食べてみますか?」と著者が料理してくれたのが、長野県の綿内れんこん。フライパンに油を引いて焼き、味付けは塩だけというシンプルな調理法だ。しかし、サクッとした歯ざわり、濃厚なコクと香ばしさはスーパーで売っているれんこんとは比較にならない。

「それが野菜本来の味、タネをつけて次代に命を結ぶ味なんです。子供も理屈じゃなくわかっているのか、野菜嫌いでも食べてくれます。購入者にもお母さん方が多い。流通に特化したF1種が悪いとは言わないし、それも必要でしょう。でも、生産性や効率ばかり気にしていいのか? もっと大事なものもあるのでは? それは現代社会にも通じることではないでしょうか」


 テレビ東京「ガイアの夜明け」で紹介され大反響。古来種と出合い、路上販売から店舗オープンまでの奮闘記だ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  5. 5

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  1. 6

    元横綱白鵬が突然告白「皇帝の末裔」に角界一同“苦笑”のワケ…《本当だったらとっくに吹聴しています》

  2. 7

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  3. 8

    阿部巨人の貧打解消策はやっぱり助っ人補強…“ヤングジャイアンツと心中”の覚悟なし

  4. 9

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも