「英雄の輪」真藤順丈著

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「英雄の輪」真藤順丈著

 戦争が終わった沖縄で、オロクイサオは米軍の貨物廠に侵入し、仲間と盗んだ酒を飲んでいた。米兵に捕まり、翌日、白人将校のハンナ少佐に取り調べを受けた。収容所送りかと観念したが、軍の仕事を手伝えば処罰は見合わせるという。オロクを推挙した知り合いの小那覇舞天と宣撫活動を行うことになった。舞天は芸名で、本職は歯科医だが芸達者で知られている。ハンナ少佐は慰問芸術団をつくって、洞窟などに隠れている敗残兵を投降させようとしているのだ。オロクは三線の名手だったので、隣家の娘がオロクの家の瓦礫の中からオロクの三線を持ち出していた。オロクはまともな演奏なんてできるはずがないと思ったのだが……。

 かつての激戦地であり今も米軍基地が残る沖縄で戦う人びとを描く6編の小説。

(講談社 2365円)

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