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全25作の人気 「ぶたぶた」シリーズ

「ぶたぶた図書館」矢崎存美著 光文社文庫/495円+税

【話題】閉館後の図書館に、子どもたちが預けた自分のお気に入りのぬいぐるみたちが、誰もいない図書館で本を読んでいる様子などを撮影。迎えにきた子どもにその写真を渡し、ぬいぐるみが選んだとしておすすめの本を貸し出す――。

 米国の公共図書館で始まった「ぬいぐるみの図書館おとまり会」というイベントは、近年日本の図書館でも人気を呼び、各地で行われているという。そして、見かけはピンク色のぶたのぬいぐるみ、中身は優しくて料理が得意な中年のおじさんというユニークな主人公が活躍する〈ぶたぶた〉シリーズ。この2つが見事に合体したのが本書だ。
【あらすじ】物心ついた頃から本を読むのが大好きな雪音は、通っている中学校のそばに新しくできた市立図書館が、図書館用の企画を募集しているのを知る。企画が選ばれた生徒は、図書館の中を自由に見学でき、広大な閉架書庫にも入れるという。

 雪音は早速、オリジナルではないが、自分もやってみたかった「ぬいぐるみおとまり会」の企画を出すが、残念ながら落選する。

 ところが雪音の企画を見た司書の寿美子は、一緒にやろうと誘ってくれた。これを成功させるためには、魅力的なポスターを作る必要があるのだが、理想的なモデルとして現れたのがぬいぐるみの外見をした山崎ぶたぶた。そこへ元カメラマンも参加し、雪音たちのプロジェクトは順調に進んでいく。
【読みどころ】サイドストーリーとして、本好きの妹や娘の美帆とうまく話が合わず母親としての自信を失いかけている寿美子の姉、彩子の心情が描かれる。そんな彩子を励ますのがぶたぶたさん。最初はしゃべるぬいぐるみをいぶかる彩子だが、その優しさにかたくなな心がほどけていく。現在、全25作という人気シリーズ。〈石〉

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