「タンパク質とからだ 基礎から病気の予防・治療まで」平野久著
タンパク質は体重の約20%を占める体の主要成分で、そのほとんどが生体機能の制御に重要な役割を果たしている。そのため、タンパク質の機能異常は生体機能の異常をもたらし、病気を引き起こす。つまり、タンパク質の異常を検知できれば、病気を診断することも、その異常を修復できれば病気を治療することも可能になる。
そこで、診断の指標となるタンパク質を探す研究や、一人一人のタンパク質の分布マップを作成し、健康なときと病気のときを比較することで、病気の診断と治療、さらには予防を行えるとして研究が続いている。
この本は体の中でタンパク質がどのように作られ、どのような働きがあるかを紹介し、なぜ、タンパク質が病気の診断・治療につながるかを教えてくれる。 (中公新書 800円+税)