夏休みに知識をバージョンアップ 学び直し「教科書本」特集

公開日: 更新日:

「人生のすてきな大問題」桐光学園中学校・高等学校編

 学生時代、いつもの授業だと居眠りしたり落書きしたりで身が入らないのに、たまに外部から来た先生の特別講義の機会があると面白くて目が輝いたという経験はないだろうか。そんな人にぜひお薦めなのが本書。さまざまな学問分野における第一人者を定期的に学校に招いている神奈川県の私立桐光学園は、2007年度からその講義を「高校生と考えるシリーズ」として書籍化しており、本書はその第3弾にあたる。

 登場するのは、漫画家の竹宮惠子、数学者の森田真生、哲学者の内山節、政治学者の苅部直、ブックデザイナーの松田行正など20人。たとえば「世界とは日本の外に広がっているものと考えるべきですか」という質問を受けて「日本は窓一つない映画館のようで誰かが出入りすると早く扉を閉めろと声をかけられるようだという意味ではイエス、日本も世界の一部であり世界とつながっているという意味ではノー」と文芸評論家の加藤典洋は答えている。

 414ページにも及ぶ分厚い冊子だが、知的好奇心が走り出せば、あっという間に読める。(左右社 1700円+税)

【連載】ザッツエンターテインメント

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 2

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  3. 3

    Snow Man目黒蓮と佐久間大介が学んだ城西国際大メディア学部 タレントもセカンドキャリアを考える時代に

  4. 4

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  5. 5

    高市新政権“激ヤバ議員”登用のワケ…閣僚起用報道の片山さつき氏&松島みどり氏は疑惑で大炎上の過去

  1. 6

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  2. 7

    田村亮さんが高知で釣り上げた80センチ台の幻の魚「アカメ」赤く光る目に睨まれ体が震えた

  3. 8

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 9

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  5. 10

    「連合」が自民との連立は認めず…国民民主党・玉木代表に残された「次の一手」