未加工の菜食中心食生活のすすめ

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「食事のせいで、死なないために」マイケル・グレガー、ジーン・ストーン著、神崎朗子訳

 病気の改善や治療に役立つうえに副作用がなく、他のどんな治療法とも併用できる健康法とは何か。それはズバリ、食生活の改善だ。何を当たり前のことをと思うかもしれないが、生活習慣病が世界に蔓延したのは第2次世界大戦後、加工肉食品やファストフードなど自然界にはあり得ない高カロリー食品が大量消費されるようになったことが大きな要因のひとつであることは間違いない。

 本書では、史上最大規模の疫学研究「チャイナスタディー」や、特定の疾病と栄養素及び食品の関連性を突きとめた研究データをもとに、未加工の菜食中心の食生活を推進している。とはいえ、何もベジタリアンになれと言っているのではない。体に良い食材12項目の効能と種類を紹介しながら、毎日の食生活に少しずつ取り入れる方法などを紹介している。

 例えば、ブロッコリーやカリフラワー、芽キャベツにホースラディッシュといったアブラナ科の野菜だ。鍵を握るのはスルフォラファンという成分で、抗がん物質として有望なだけでなく、脳や視力を守り、糖尿病の抑制も期待できる。その種類と効能を知っていれば、肉料理を食べるときの付け合わせにニンジンやジャガイモではなくアブラナ科の野菜のローストを添えたり、すりおろしてソースにして取り入れることもできる。

 まずは3週間実践することで、体調の変化を感じることができるはずだと本書。“食事のせいで、死なないために”、今日から始めてみては。(NHK出版 1800円+税)

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