「謎々 将棋・囲碁」新井素子ほか著

公開日: 更新日:

 将棋・囲碁の中・短編小説をそれぞれ3編ずつ編んだアンソロジー。

 例えば葉真中顕の「三角文書」。舞台は超未来、主人公は宗教家にして考古学者のヒフミーン・メイ=ジーン。今、彼が手にしているのは超古代文明の遺跡に保管されていた「三角文書」だが、そこには「▲7六歩△8四歩」という将棋の棋譜記号そっくりの不思議な文字が刻みこまれていた。

 宮内悠介の「十九路の地図」の主人公は愛衣。幼いころ祖父から囲碁を教わったが、その祖父は交通事故で植物状態に。ただひとり病院に通い続ける彼女の日課は祖父の手をさすりながら、「十六の四星」と口にすることだった。その言葉に反応して意識を取り戻す奇跡を期待してのことだった。が、応答のない日々が続く。そしてある日、祖父は突然2手目を打ってきた。だがそれは――。

 将棋・囲碁を知らない人でも十分に楽しめる6編。

(角川春樹事務所 1300円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 2

    巨人の“お家芸”今オフの「場当たり的補強」はフロント主導…来季もダメなら編成幹部の首が飛ぶ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  5. 5

    国民・玉木雄一郎代表の“不倫相手”元グラドルがSNS凍結? 観光大使を委嘱する行政担当者が「現在地」を答えた

  1. 6

    星野監督時代は「陣形」が存在、いまでは考えられない乱闘の内幕

  2. 7

    若林志穂さん「Nさん、早く捕まってください」と悲痛な叫び…直前に配信された対談動画に反応

  3. 8

    米倉涼子に降りかかった2度目の薬物疑惑…元交際相手逮捕も“尿検査シロ”で女優転身に成功した過去

  4. 9

    国民民主から維新に乗り換えた高市自民が「政治の安定」を掲げて「数合わせヤドカリ連立」を急ぐワケ

  5. 10

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで