「旅先のオバケ」椎名誠著

公開日: 更新日:

 これまで世界100カ国くらい旅してきた著者だが、中には、科学的に説明できない現象や、ふつうではおよそお目にかかることのない出来事に遭遇したことが少なからずあるという。本書は、そうした不思議な体験をつづったエッセー集。

 例えば、ロシアのニジニーノブゴロドという古都のホテルでの出来事。ベッドで寝ていると、真夜中に、隣室から数人の男たちが暴れているような音が聞こえ、壁に何かを叩きつける音もする。

 翌朝、どんな連中なのかと確かめに行くと、隣には部屋などなく、幅2メートルほどの階段があるだけ。後で聞いたら、そこはポルターガイスト現象が起こるので有名な場所だという。

 あるいはカナダの北極圏では、夜、便意を催してテントの外で用を足していると、そこへ2000匹もの蚊が尻を目がけて襲ってきた!

 そのほか、アウシュビッツの収容所やカンボジアのキリングフィールドで感じた土地の記憶など、多様な「恐怖」がつづられ、一味違ったシーナ・ワールドを堪能できる。

 (集英社 1300円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 4

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 5

    西武は“緩い”から強い? 相内3度目「対外試合禁止」の裏側

  1. 6

    「1食228円」に国民激怒!自民・森山幹事長が言い放った一律2万円バラマキの“トンデモ根拠”

  2. 7

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 8

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  4. 9

    STARTO社の新社長に名前があがった「元フジテレビ専務」の評判…一方で「キムタク社長」待望論も

  5. 10

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは