「鵜頭川村事件」櫛木理宇著

公開日: 更新日:

 岩森明は膵臓がんで死んだ妻・節子の墓参りのために、6歳の娘・愛子を連れて妻の故郷の鵜頭川村を訪れた。村で3年ぶりに会った降谷辰樹がすさんだ目をしているのが気になった。辰樹は東京の大学に行く予定だったが、兄が事故死したため、進学を諦めて村に残ったという。そんな折、村の若者の刺殺死体が発見された。駐在を呼びに行こうとしたら、20日ちかく降り続いた雨で土砂崩れが発生して村は孤立した。電話も通じない。辰樹は村を守るため、自警団を結成するが、村内で対立する勢力とトラブルになり、やがて村は狂気に巻き込まれていく。

 閉ざされた村で起きた暴動と狂乱をめぐるサスペンス。(文藝春秋 1800円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑