「柳都新潟古町芸妓ものがたり」小林信也著
京都の祇園、東京の新橋と並び伝統と格式を認められ、日本3大芸妓といわれる「新潟古町芸妓」の歴史と、今を生きる古町芸妓たちの素顔を追ったルポルタージュ。
昭和40年代には古町に総勢80人から100人近くの芸妓がいたが、時代の変化と共に、置き屋の面倒を見てくれる、いわゆる旦那衆が姿を消し、花柳界は存続の危機に瀕していた。それを救ったのが芸妓の会社「柳都振興」だった。宝塚歌劇団をヒントに、地元有志が出資し、芸妓を社員とし、給料は高卒女性の一般的な初任給の倍近く、結婚も自由、産休もとれるという異例の会社である。 本書には、ハードロックが好きな紅子さん、バレエから日本舞踊に転身したあやめさんら、そこで育った古町芸妓の芸にかける情熱と本音が語られている。 (ダイヤモンド社 1600円+税)