おいしく飲めるワイン本

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「教養としてのワイン」渡辺順子著

 今や日本の飲酒文化にすっかり浸透したワイン。日本で醸造されたワインが海外で人気を得るなど話題に事欠かない。そこで年明けの第1弾は知ればもっとワインがおいしくなる、楽しくなる本を紹介する。



 大手オークションハウスのワインスペシャリストだった著者によると、欧米ではワインは単なるお酒ではなく、ビジネスパーソンが身につけておくべき「万国共通のソーシャルマナーのひとつ」だという。そうした教養としてのワインの知識を伝えるテキスト。

 ワインの歴史は古く、6000~7000年前には存在していた。フランスがワイン大国になったのは産地ブランドを守るために制定された「AOC(原産地統制呼称法)」の存在が大きいという。AOCは、畑に人為的に手を加えることを禁止しており、どんなに降水量が少なくても水もまけないほど厳しいものだという。そうしたフランスをはじめとする各産地の歴史、うっかりミスから生まれた「シャンパン」の誕生秘話など、知っておきたいエピソードが満載。

(ダイヤモンド社 1600円+税)

「歴史の中のワイン」山本博著

 日本輸入ワイン協会会長の著者は、ワインは「ひとつの人類の文化現象である」という。ワインの歴史は決して平坦なものではなく、ある特定の時代に、革命とも呼ぶべき事態(技術発明や技術革新)が生じ、それ以前のワインと異質のものが生まれるという現象が何度か起きている。その積み重ねによって今日のワインがあり、現在、我々が飲む少々値段が張る4000円ほどのワインでも、かつて王侯貴族が飲んでいたものよりもはるかにレベルが高いそうだ。

 本書は、古代メソポタミアで生まれた始祖的なワインから、伝統的なワインの階層序列が崩壊し、傑出したワインが世界各地から出るようになった20世紀末の革命的激変まで、その節目の出来事を解説。後半では、著者が心を動かされたワインの思い出が語られる。

(文藝春秋 830円+税)

「ワインは楽しい!【増補改訂版】」オフェリー・ネマン著 ヤニス・ヴァルツィコス/イラスト 河清美訳

 科学者のルイ・パスツールは「世界中の書物よりもワインボトルの中により深い哲学がある」と語ったという。確かに、ワインの世界は知れば知るほど奥深く、複雑だ。通なら一本のワインで一晩中でも、ウンチクを語ることができるだろう。

 一方で、ワインは好きだが、知識もなく、その広大なワインの世界のどこから手を付ければよいのか、気後れをして、ソムリエ任せ、同伴者任せの人も多い。本場にもそんな人がいるようで、本書はフランスで一番売れているワインの教科書だという。

 6人のワインが好きな若者がそれぞれの得意分野の知識を教えてくれるという設定で、豊富なカラーイラストで要点を簡潔に解説してくれる。

 まずはホームパーティーでワインをおいしく楽しむ秘訣を紹介。グラスの選び方から、抜栓のタイミング、そしてもしも開けたワインがおいしくなかった場合の対処法などを紹介しながら、なぜワイングラスは脚付きなのか、なぜグラスの3分の1以上つがないのかなど、今更聞けない知識も解説する。

 続く章は、お待ちかねのテイスティングの心得だ。

 まずは口に含む前に香りを楽しむ。ワインの世界には100以上もの香りが存在するといわれ、それらを系統に分類。「熱を帯びた小石」などのミネラル香は珍しいが、それを感じたらほぼ確実に上等なワインだそうだ。

 以後、世界には1000万種、そのうちフランスでは249種が認められているというブドウの品種や醸造の過程、産地ごとの特徴、ワイン界のレジェンドたちのエピソード、そして料理とのマリアージュまで。ワインについてのすべてを網羅。まずはこの本から始めよう。

(パイ インターナショナル 2650円+税)

「ワインという物語」大岡玲著

「西欧古典文学の根底には、常にワインの香りが漂っている」と説く作家が、敬遠しがちな西欧の神話や古典文学を、ワインを手掛かりに読み解いていくエッセー。

 まずは、聖書の中でブドウが登場するのは、アダムとイブが楽園を追放された後。聖書史上初めて酔っぱらった人間は、箱舟で有名な「ノア」だという。ノアがワインで酔い、末っ子のハムがテントの中で酔って裸になった父親のことを兄たちに告げるシーンがある。ノアはハムのしたことを孫のカナンの名を挙げて罵る。そのやりとりを紹介しながら、ユダヤ教、キリスト教がはらむ偽善性を指摘する。

 その他、ギリシャ神話やローマ時代の英雄叙事詩などを取り上げ、章末では各作品にちなむワインを試飲するなど、遊び心に満ちた一冊。

(天夢人 1500円+税)

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