「ペニスカッター」和田耕治 深町公美子著

公開日: 更新日:

 和田は大学時代に、上顎がんの摘出手術を受けて顔が半分なくなった患者を見て、命は助かったがつらいだろうと感じた。このとき受けた衝撃から、形成外科医を目指す。

 形成外科から美容外科に移ったころ、ニューハーフの除睾手術を担当する。当時、性転換手術を行っている医師がいたが、昭和44年のブルーボーイ除睾手術事件で優生保護法違反で処罰され、それ以来タブーになっていた。

 だが和田は、これは正当な医療であると確信して引き受ける。

「法律が許さないからといって、一人の悩める人間を見て見ぬふりをするわけにはいかない」という信念をもって、600人以上の性転換手術を行った医師を描くノンフィクション。

(方丈社 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動