「上方らくごの舞台裏」小佐田定雄著

公開日: 更新日:

 落語作家の著者が、上方落語の演題を紹介しながら、落語家たちの思い出をつづる演芸エッセー。

 大阪の天王寺公園で開業する伝説の理容師と客のやりとりを描いた「青空散髪」は、3代目林家染語楼師匠がつくった昭和の新作落語。3代目はほかにも市役所の徴税係が長屋に集金に来てひどい目にあう「市民税」など多くの作品を残し、1975年に56歳の若さで亡くなった。青空散髪は、創作の才こそなかったが、芸の面では3代目をしのいでいたという4代目からほかの一門にも伝えられている。

 その他、初代・2代・3代の桂春団治師匠が十八番にしていた「いかけや」、それを3人に教えたことを生涯の自慢にしていた4代目桂文団治師匠など、38の演題と共に師匠たちの魅力や素顔を紹介する。

 (筑摩書房 940円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった