「ビッグ・クエスチョン」スティーヴン・ホーキング著、青木薫訳

公開日: 更新日:

 昨年3月に亡くなったホーキングはブラックホールの研究で知られている。先日、世界初のブラックホールの撮影に成功したと報じられたが、もし彼がこれを見ることができたら、さぞ喜んだことだろう。

 本書はそのブラックホールも含めて、さまざまな人たちからホーキングに対して問いかけられた〈ビッグ・クエスチョン〉に対する答えをまとめたもの。その質問は次の10項目。

①神は存在するのか?②宇宙はどのように始まったのか?③宇宙には人間のほかにも知的生命体が存在するのか?④未来を予言することはできるのか?⑤ブラックホールの内部には何があるのか?⑥タイムトラベルは可能なのか?⑦人間は地球で生きていくべきなのか?⑧宇宙に植民地を建設すべきなのか?⑨人工知能は人間より賢くなるのか?⑩より良い未来のために何ができるのか?

 科学的・文明論的なものを取り混ぜ、どれも魅力的なビッグ・クエスチョンだ。ホーキングは研究成果を交えながら、いつの日か発見されるだろう統一理論の視点からこれらの問いに答えていく。歯ごたえはあるが、その奥にはロマンチックな夢が広がっている。

(NHK出版 1500円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する