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「日本婚活思想史序説」佐藤信著

 いまやすっかり定着した「婚活」。しかし、その実態は果たして……。

「婚活」というコトバは新しいが、やってることは昔と同じ。だが、1980年代の結婚論ブームと2000年代以降の婚活は違う、という著者は東大先端科学技術研究センターに勤務する政治学者。これまでこの手の議論は社会学者の独壇場だったが、著者は政権交代や天皇制を論じる日本政治外交史の専門家だ。ただし今年で31歳。つまり21世紀の婚活真っ盛りの現役世代というわけだ。

 その立場からまず注目するのは「働きたくないから結婚したい」という現代の結婚願望。「負け犬状態からの離脱」を図るためにも「おためし婚」でサクッと結婚、で離婚(!)というのもよくあるパターンだ。なぜそうなったのか。80年代ごろは違っていたのではないか、というところから著者は、過去の統計や各種の記事を頼りに「婚活の思想史」を試みたわけだ。担当の女性編集者とのおしゃべりが脚注スペースにびっしり。いまどきの若手らしいサービス精神の発露。 (東洋経済新報社 1800円+税)



「結婚不要社会」山田昌弘著

「結婚とは、男にとってはイベント、女にとっては生まれ変わり」と20年前に指摘した著者。その後、社会学者として「パラサイト・シングル」などの流行語まで編み出したが、本書でも20年前と「同じことを言わざるを得なかった」という。

 女にとって結婚は会社を辞めるかどうか、子どもを産むかどうかなど人生を大きく変える機会になる。その基本構造はいまも不変のままなのだ。ただし、かつては「いい男がいないから結婚しない」だったのが、いまは「結婚したくないから結婚しない」に変化した。

 また格差経済のもと、結婚と豊かな暮らしが両立できない状況も顕著。世代や国別の価値観にも注目し、婚活の掛け声の陰で進む「結婚不要」の時代相を描いている。 (朝日新聞出版 750円+税)



「出会いと結婚」佐藤博樹、石田浩編

 コンカツという響きは軽いが、実はシューカツ以上に一生を左右する。しかも少子化時代とあって婚活は国家の未来にも関わる。本書はそんな問題意識を学問的に高めた東大社研(社会科学研究所)による大型調査プロジェクトの報告書。

 注目は第2部「夫婦関係と出産・結婚満足度」。出産意欲の変化をたどり、結婚についての若者世代の意識を探る。

 文科省の助成も受けた折り紙付きの「婚活時代」の学問的調査の報告。男の意識が旧態依然なのに、女の意識だけが大きく変わってきたことを明確に裏付けるデータが多数ある。 (勁草書房 2800円+税)



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