「証言 治安維持法」NHK「ETV特集」取材班著 荻野富士夫監修

公開日: 更新日:

 後に「希代の悪法」と呼ばれた治安維持法は、1925年の制定から終戦まで運用され、検挙数は植民地を含め10万人以上に及ぶ。当時、非合法だった共産党を取り締まる目的で制定された法律だったが、次第に対象は一般市民にまで拡大し、多くの無実の人が過酷な取り調べを受けた。

 雇用の不安定さを解消するため、非正規の印刷工仲間と親睦会を結成して検挙された103歳の男性、義父が共産党員だったために14歳で連行され1カ月間も勾留され、拷問・取り調べを受けた105歳の女性など。当事者や遺族の証言からその運用実態を検証し、法治国家にあっても法そのものが国民の自由を奪う事態が起きることを警告するルポルタージュ。

(NHK出版 900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • BOOKSのアクセスランキング

  1. 1

    暑さを忘れて謎解きに没頭!ミステリー文庫特集(3)プロが厳選する年に1度の短編集 「本格王2026」本格ミステリ作家クラブ選・編

  2. 2

    「身近にあるドラッグ的なものや脱法性に自覚的になることが大切」──「脱法」磯部涼氏

  3. 3

    北村匡平(東京科学大学教授・映画研究者)試行錯誤にこそ、書く歓びがある

  4. 4

    さまざまな無住化した集落──多種多様の廃村の姿を伝える 「廃村大全」浅原昭生著、中田薫編

  5. 5

    コ本や(神楽坂)店主は東京芸大大学院出身アーティストで中原中也賞受賞の詩人

  1. 6

    「史上最強にわかりやすくて面白い ぶっ続け日本史講義10時間」伊藤賀一著/フォレスト出版(選者:中川淳一郎)

  2. 7

    生意気さもツンデレ美少女なら許せる!? 「夫をかわいい女の子にしてみたら」もぐ著

  3. 8

    「安倍晋三 平成・令和の光と闇」服部龍二著/中公新書(選者:佐藤優)

  4. 9

    修繕積立金の怪(1)積立金の上昇はマンションの価格の下落「その家、買ってはいけない」滝島一統著

  5. 10

    BOOKSHOP トランスビュー(新宿区・中井)17坪の店内に百万年書房、共和国など小出版社の本がずらり

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【2026夏の甲子園】初戦で「勝つ高校」「負ける高校」完全予想!横浜vs沖縄尚学の超好カードは…

  2. 2

    支持率急落の高市政権がV字回復画策 内閣改造でクビ切り不可避な“ポンコツ”5大臣の名前

  3. 3

    黒川紀章設計「戦没者慰霊塔」も丹下健三設計「香川県立体育館」も解体…財政難で維持できなくなった名建築

  4. 4

    2026夏の甲子園「優勝校はココだ!」 本紙と専門家が徹底予想、“対抗”含む5校を紹介

  5. 5

    球宴を見ていて腹が立った 「祭り」と「遊び」をはき違えるな

  1. 6

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  2. 7

    「愛子天皇」潰しは賛成で、消費税減税はなぜ反対? 玉木国民民主の「公約違反」がネットで袋叩き

  3. 8

    トランプ大統領もそっぽ 表面化した日米包囲網「反高市」うねり急拡大…2大後ろ盾が剥落

  4. 9

    三男・清水良太郎さん急死で清水アキラ沈痛…8年越しの「父子再共演」が始まったばかりだった

  5. 10

    「朝」「彦」「憲」「恒」…旧宮家に残る皇族意識 養子制度で改めて注目された「通字」