「葛藤する刑事たち」松本清張ほか著

公開日: 更新日:

 新聞社の電話交換手の朝子は、夜勤中の深夜、社会部の依頼で大学教授の家に架電する。しかし、電話に出た人物の応対で番号を間違えたことに気づく。翌日、朝子は夕刊の記事で間違い電話で話した相手が殺人犯だったことを知る。警察に犯人の声の特徴を伝えるが事件は未解決。1年後に朝子は新聞社を辞め、茂雄と暮らし始める。転職を繰り返していた茂雄がようやく高収入の仕事に就いた。

 ある日、いつも電話を取り次いでくれる近所の食料品店に茂雄の同僚の浜崎から電話が入る。夫の代わりに電話に出た朝子は浜崎があの夜の電話の相手だと気づく……。

 電話がそれほど普及していなかった時代のこの松本清張の「声」をはじめ、最近の誉田哲也らまで人気作家9人の警察小説を集めたアンソロジー。

(朝日新聞出版 800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市首相が招いた「対中損失」に終わり見えず…インバウンド消費1.8兆円減だけでは済まされない

  2. 2

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    長女Cocomi"突然の結婚宣言"で…木村拓哉と工藤静香の夫婦関係がギクシャクし始めた

  5. 5

    「NHKから国民を守る党」崩壊秒読み…立花孝志党首は服役の公算大、斉藤副党首の唐突離党がダメ押し

  1. 6

    国民民主党でくすぶる「パワハラ問題」めぐり玉木雄一郎代表がブチ切れ! 定例会見での一部始終

  2. 7

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  3. 8

    男子バレー小川智大と熱愛報道のCocomi ハイキューファンから《オタクの最高峰》と羨望の眼差し

  4. 9

    長女Cocomiに熱愛発覚…父キムタクがさらに抱える2つの「ちょ、待てよ」リスク

  5. 10

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ