「沈黙法廷」佐々木譲著

公開日: 更新日:

 警視庁・赤羽署管内で初老の独居男性が殺された。被害者は、自宅寝室のマッサージチェアに座ったまま絞殺されていた。赤羽署の刑事・伊室の捜査で、被害者宅にはデリヘル嬢や家事代行サービスの女性らが出入りしていたことが分かる。

 捜査本部が設けられ警視庁の刑事らも合流。やがて、フリーの家事代行業者の美紀が捜査線上に浮かぶ。

 事情聴取のため伊室らが自宅に向かうと、美紀は一足早く到着していた埼玉県警に連行されてしまう。1年半前に起きた同様の事件の容疑者だという。美紀と関係があった3人目の老人の死も明らかになるが、美紀は一貫して犯行を否認。状況証拠しか見つからぬまま裁判が始まるが、美紀は黙秘を貫く。

 警察小説と法廷小説双方が堪能できる長編。

 (新潮社 1050円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲