「憲法九条の『損』と『得』」太田光、中沢新一著

公開日: 更新日:

 イギリスでは国民投票でEU離脱賛成という予想外の結果が出て混乱に陥っているが、この状態は正しいと太田は思っている。政治について日本人より理性的な判断をするイギリス人でさえ情動派が理性派を押し倒す可能性があるのだから、情動性の強い日本人が憲法改正をめぐる国民投票で冷静な判断をするかどうか疑問だと、中沢はみる。

 なにより重要なのは、この憲法でやっていくことが得か損か、考えることではないのか。憲法を変えてはいけないという声もあるが、国の成り立つ条件が根本から変わるようなときには変えていかなければならないのだ。「憲法九条を世界遺産に」の著書をもつ爆笑問題の太田と思想家の中沢の対談集。

(扶桑社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  3. 3

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  4. 4

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  5. 5

    ドジャース大谷が佐々木朗希への「痛烈な皮肉」を体現…耳の痛い“フォア・ザ・チーム”の発言も

  1. 6

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  2. 7

    高市早苗氏は大焦り? コバホークこと小林鷹之氏が総裁選出馬に出馬意向で自民保守陣営は“分裂”不可避

  3. 8

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった

  4. 9

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い

  5. 10

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督