「バカよさらば プロパガンダで読み解く日本の真実」倉山満著

公開日: 更新日:

 プロパガンダとは「政治目的を達成するために、自分の意思を他者に強要する宣伝手段」であり、それは現在でも使われている。

 たとえば「戦後レジーム」の総本山である内閣法制局は、政府が提出する法案を、憲法を頂点とする日本の法体系に矛盾がないか審査するのが本来の仕事である。ところが現実には、法制局がうんと言わなければ法案は通らなくなっている。実は憲法解釈の最終権限者は最高裁判所だが、彼らは法制局ほど法律に詳しくないので、法制局に逆らって独自の判断を下すことなどできない。法制局は、選挙で選ばれた政治家に対して拒否権など持っていないが、そう思わせている状況こそ、一種のプロパガンダなのだ。

 日本政治におけるプロパガンダを読み解く。

(ワニブックス 1296円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較