「夜がどれほど暗くても」中山七里著

公開日: 更新日:

「週刊春潮」の副編集長、志賀倫成は、警視庁捜査1課の宮藤から息子、健輔が殺人を犯し、本人も自殺したと告げられた。健輔が慕っていた大学の講師、星野希久子をストーキングしたあげく、その夫とともに刺し殺したというのだ。

 身元確認をし、呆然自失で警察を出た志賀と妻の鞠子を、報道陣が取り囲んだ。「普段報道している側として、今のお気持ちを」とマイクを向けられ、著名人のスキャンダルを記事にしていた自分が、今度はマスコミの攻撃を受ける側になったことを知った。タクシーに乗ろうとした志賀に、「逃げるんですか、志賀さん」「あなたはそれでもジャーナリストですか」という声が浴びせられる。

 スキャンダルに追い詰められる男を描く。

(角川春樹事務所 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    小泉進次郎「無知発言」連発、自民党内でも心配される知的レベル…本当に名門コロンビア大に留学?

  2. 2

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  3. 3

    高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格

  4. 4

    9日間の都議選で露呈した「国民民主党」「再生の道」の凋落ぶり…玉木vs石丸“代表負け比べ”の様相

  5. 5

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  1. 6

    野球少年らに言いたい。ノックよりもキャッチボールに時間をかけよう、指導者は怒り方も研究して欲しい

  2. 7

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    28時間で150回以上…トカラ列島で頻発する地震は「南海トラフ」「カルデラ噴火」の予兆か?

  5. 10

    自転車の歩道通行に反則金…安全運転ならセーフなの? それともアウト?