「シリアで猫を救う」アラー・アルジャリール、ダイアナ・ダーク著 大塚敦子訳

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 電気技師のアラーは父が消防士だったためその仕事に憧れ、人を救うことを夢見ていた。シリア内戦でアレッポに戦火が及んだ時、自分のミニバンを救急車として、ボランティアで救助活動を始めた。

 反体制派が支配する東アレッポと外部をつなぐ唯一のルートであるカステロ・ロードは「世界一危険な道」と呼ばれていたが、食料や医薬品などを運ぶにはここを通らねばならない。

 アレッポには飼い主に置き去りにされた猫がたくさんいた。車を持たない貧しい人々を救助する傍ら、猫に餌をやったりしていたら、イギリス人ジャーナリストが記事にしてくれた。

 小さな命に焦点を当てて悲惨な戦場を描き出すノンフィクション。 

(講談社 1700円+税)

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