「図書館の外は嵐」穂村弘著

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 ×月×日、レイ・ブラッドベリの短編「対象」を読んだ。1948年発表の、1997年を舞台にした作品で、前世紀半ばに作者が想像した世紀末世界である。2018年にこの作品を読んだ私は、「未来」がどうなったか知っている。作品に登場する「ロボット給仕機」「航星船」は2018年にはない。

 別の日に、1980年代に発表された佐藤史生の漫画「ワン・ゼロ」を読んだ。舞台は1998年から1999年。登場人物が「本物のイクラ食べるのってひさしぶりよ」と言う。まともな寿司屋でもコピー食品を使っていて、「現実」に近いが微妙にずれている。(「追い越された未来」)

 ほかに萩尾望都、原民喜ら広い分野を渉猟する歌人の読書日記。

(文藝春秋 1500円+税)

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