「日本怪異伝説事典」朝里樹監修 えいとえふ著

公開日: 更新日:

 戦国時代には、蘇鉄は異国の木として珍しがられた。織田信長は堺の妙国寺の大蘇鉄を気に入って、安土城に移植した。

 ところが夜になると、「妙国寺に帰りたい」と大蘇鉄がすすり泣く。怒った信長の命令で大蘇鉄を刀で切りつけると、鮮血が噴き出した。妙国寺に返された大蘇鉄はひどく弱っていたが、日珖上人が法華経を読むと蘇った。(「信長が恐れた大蘇鉄」)

 他に、石が鳴ると天気が悪くなるという、白樺高原の雨境峠にある鳴石(なるいし)を金づちで叩いたら、山鳴りがして火の雨が降り、叩いた人は死んだという「悪天候を呼ぶ雨境峠の鳴石」など、全国に伝わる怪異な話を800項目以上掲載。

(笠間書院 2000円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動