「非弁護人」月村了衛著

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 6年前、同僚と上層部の裏切りに遭い、東京地検特捜部を追われ、弁護士の道までも絶たれた宗光彬。現在は、裏社会の住人から高額の報酬と引き換えに、不可能とも思える法律絡みの案件を解決する<非弁護人>をなりわいとしている。

 ある日、宗光はひょんなことから、パキスタン人の少年・マリクから「消えた同級生を捜してほしい」と頼まれた。行方不明の少女とその家族を追ううちに、不可解な事件が次々と浮かび上がってくる。有機農法、シェア別荘、不動産投資……。そこに関わっているのは底辺ヤクザや社会的マイノリティーで、家族や親族を巻き込んで、ある日突然姿を消していた。そして案件には同一人物と思われる男、<ヤクザ喰い>の存在があった。

 やがてある失踪者の恋人の目撃から彼らの凄惨な末路を知った宗光は、東西の極道たちを巻き込み、<ヤクザ喰い>をじわりじわりと追い詰めていく――。

 法の知識を駆使し、裏社会と表社会のはざまで生きる宗光を主人公に描くリーガルサスペンス。

 点でしかなかった事件が一つの線となり、明らかになっていく手口とその全貌に戦慄が走る。

 ストーリーの面白さもさることながら、人々の無関心、偏見、不寛容といった社会の在り方に警鐘を鳴らす重厚な物語だ。

(徳間書店 1870円)

【連載】週末に読みたいこの1冊

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