「新型格差社会」山田昌弘著

公開日: 更新日:

 社会学者の著者は、コロナ禍によって、これまで社会が見ようとしてこなかった「格差」が可視化されたと指摘する。格差社会の問題は、多くの場合、経済的な問題として語られてきたが、日本に広がる格差はそれだけではないという。

 本書では、コロナ禍によって加速する日本社会の格差を、社会学の視点から分類して解き明かす。

 そのひとつ「家族格差」の章では、若年女性の自殺の増加、婚姻数の減少と少子化の加速、さらに今では婚姻関係の50%以上がセックスレスという家族間の愛情格差の広がりなど。さまざまなデータをもとに「戦後型家族」が行き詰まっていることを明らかにする。

 ほか、「教育格差」「仕事格差」「地域格差」「消費格差」の5大格差を通し、コロナ後の社会の姿を考える。

(朝日新聞出版 825円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし