「潜入・ゴミ屋敷」笹井恵里子著
ゴミ屋敷問題は、世界的に増加傾向にあるという。なぜ自宅に大量のゴミをためこんでしまうのか。その疑問に体を張って迫るルポルタージュ。
天井近くまでゴミで埋め尽くされた60歳男性の部屋、大手企業に勤務し年収1100万円以上の社会的には成功者だったが、積みあがったゴミから転げ落ちて頭を打って死んでしまった。
大量にため込まれた尿入りペットボトル「ションペット」、さらに「大爆弾」と呼ばれる大便まで。何十年もかけて堆積したゴミ屋敷の清掃に自ら作業員として加わり、その壮絶な実態をリポート。
精神疾患の「ためこみ症」をはじめ、強迫症や統合失調症、認知症などが要因で起こる「ためこみ行動」などゴミ屋敷の住人たちが抱える病や心理、そして治療法にも言及。
(中央公論新社 902円)