「100冊の自己啓発書より『徒然草』を読め!」適菜収著

公開日: 更新日:

「つれづれなるままに、日ぐらし、硯(すずり)にむかひて……」と始まる「徒然草」。鎌倉時代後期に兼好法師によって記されたこの随筆文学の傑作に、多くの人は世をはかなんだ老人が仏教思想に基づいた、わびさびを穏やかに語っているというイメージを持っているはずだ。しかし、著者はそれは間違いで、兼好法師は「腐った世の中と戦え」と言っているのだという。

 人間や宗教の本質が見えすぎるほど見えてしまった兼好法師は、自分が狂っているのか、それとも世の中が狂っているのか、自問を繰り返しながら、自分が見たものだけを語る。ゆえに徒然草は現代人の固定観念をぶち壊す過激な思想書なのだという。

 そんな徒然草の印象的な警句を現代語訳とともに紹介しながら、その精神と生き方を学ぶ。

(祥伝社 946円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」